太陽系で一番難しい恋 <スペイン留学編> 第13話(最終話) ☆どうして好きな人には伝えたいことをうまく伝えられないのか?
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<エピローグ>
僕は、アリカンテを離れたあと、グラナダで3か月、そしてマラガで3か月さらにスペイン語を学んで日本に帰国した。
12か月の予定のスペイン留学だったけど結局11か月の滞在となった。
この1か月減ったのは、ポーランドに行ったこと、お酒をたくさん飲みすぎたのが影響したかな、笑。
マラガの語学学校ではスペイン語の最上級クラスまで上がることができた。
留学生活の最後は、お酒はほどほどにして、ランニングや筋トレをしたり、スペイン語の学習に集中したのだ。
違う町でたくさんの新しい友達に出会い、たくさん笑ったことで、僕の傷ついた心はどんどん癒された。
グラナダでもマラガでも数え切れないほどの友達との出会いと別れを経験した。
こんな自分を好きになってくれた女性も現れた。
気持ちに答えることはできなかったけど、どれほどの励みになったことか。
今となっては、すべてが宝のような思い出だ。
Gracias Spain!
(写真は、最終滞在拠点、マラガから少し離れたロンダ旅行にて)
完
大好きだった女性とのつながりを取り戻したくて、スペイン留学を捨てる覚悟でポーランドまで追っかける。
なのに、自分の思っていることをなんにも言えなくて、お酒ばっかり飲んで、挙句の果てに、酔っぱらった勢いで近づこうとして、ひっぱたかれて振られてしまう。
おまけに相手には彼氏ができていたという、どうしようもないほどへこんだボッコボコの大失恋の体験でした。
僕が、アリカンテを去ってグラナダで新しい生活を始めていたころ、彼女から受け取った手紙には、あなたに興味を持ったのはたった3日だけだったと書いてあった。
僕の方は彼女のことをずっと想っていたのに、相手は3日だけだったと言われるとさすがにへこむ。
自分がとてもみじめに思えたし、胸が張り裂けるように痛かった。
好きな人にはどうして伝えたいことをうまく伝えられないのか?
それは怖いからだと思う
本当の自分を出して、拒絶されるのが恐いから
だから気のないフリをしてしまう
だから自分から遠ざかろうとしてしまう
だから格好つけようとしてしまう
だから前方宙返りをしてしまう
こんなにこっちは好きなのに、相手に拒絶されることを考えると恐くてしょうがない。
そして、好きであればあるほど、その恐さは大きいのだと思う。
僕も拒絶されるのが怖かった。
一度はそれを乗り越えて気持ちを伝えることができた。
たった3日だったけど、つながることができた。
そして、目の前で消えていくつながりをなんとかしたくて、
ポーランドまで追っかけたけど、拒絶されてしまった。
一番怖かった拒絶されるということを体験してしまったんだ。
やっぱり痛かった。
めちゃめちゃ痛かった。
ほんと、バカだなって思う。
こんな痛い思いをするのが嫌だから、想いを抑えていたのに。
その想いを抑えるためにお酒を飲んだだけなのに。
そのお酒に飲まれてしまって、酔いちくれ、挙句の果てにお酒をたくさん飲む人は嫌いって、振られてしまう。
本末転倒の大バカだ。
それでも、41歳になった僕としては、昔の自分にこう言ってあげたいのです。
バカでええやん。
よくやった!
と
おかげで僕は、後悔しなくてすむ。
お前が、バカみたいに、自分の想いに向き合ってくれたおかげだと。
いつか、死ぬときが訪れたら、走馬灯のように流れる記憶の中に、僕はこの恋の話をみつけるだろう。
そして、ニヤニヤ笑って思い出すに違いない。
だから僕は、不器用ではあったけど、それだけ強く一人の女性を愛せた自分自身を褒めてあげたい。
そのときは、格好悪い、情けない、みじめだと自分のことを罵ったけど、今はそうは思わない。
本当によくやった!
そして、いろいろあったけど、僕と出逢ってくれたローズちゃんに心からの感謝を送りたい。
彼女の方が、僕より人生経験が豊富な大人の女性だったんだ。
今冷静に顧みると、あの学生時代の僕たちがポーランドと日本でやっていけるわけがない。
僕はそのことを知りながら、現実をみないふりをしていた。
恋にCRAZYなままで、ドラマの中にどっぷりと生きていたかったんだろう。
心の底では、付き合える道理がないことはわかっていた。
でも、彼女は僕とは違っていた。
しっかりと現実をみていたんだ。
3日しか気持ちがなかったということも多かれ少なかれ事実だろう。
去っていく側の気持ちは薄れ、残される側の気持ちは大きくなる、人との別れには、そんな側面があるのかもしれない。
彼女にとって、実らない恋にすがりついている人間を救うには、早くその恋を忘れさせてあげることだったのかも知れない。
彼女は手紙の中でこういった。
あなたは、問題をもっているときにお酒を飲むわ
でもその問題をあなたは話そうとしない
これはStupidよ
と、
20年越しのこのメッセージが、僕の心に深く届いた。
真実と向き合うことから逃げてはいけない。
僕に必要だったのは、その強さだった。
20年たった今の僕は、このメッセ―ジに彼女の優しさを感じている。
バラのように凛とした優しさだ。
ローズちゃん、大切なことを教えてくれてありがとう。
そして、出逢ってくれてありがとう。
最後に、
僕がこのストーリーを書き終わってみて、今まで付き合ってくださった読者の方にシェアしたいこと。
好きな人に、伝えたいことをうまく伝えられない、
そりゃそうだよねって。
拒絶されることを考えるとやっぱり怖いですよね。
もし、あなたに好きな人がいて、気持ちを伝えることに恐れを持っているなら、それは、それだけ相手の方を大切に想っているという裏返しでもあると思うのです。
でも、恐れに飲み込まれて、あきまへんドラマにどっぷりと入り込みすぎるのは、もったいないと思います。
そして、やっぱり、自分から伝えないと、相手には届かないということです。
拒絶が怖いという恐れはあってもいい。
恐れる自分を否定する必要はない。
でもそれだけ想っているなら、伝えないときっと後悔することになる。
僕がポーランド滞在の最終日に、もう振られてしまった後に、最後だからと、彼女との時間を楽しもうと心に決めたら、とても自然に接することができました。
あのときの僕には、ぎこちなさが消えていた。
そして、本当に仲のいい友達のように話すことができたのです。
このことを振り返ってみて、気づいたのです。
拒絶される恐れにフォーカスすると、自然な振る舞いができなくなって、伝えたいことを伝えるのが難しくなる。
逆に、恐れにフォーカスするのではなく、この人との時間を楽しみたい!と、楽しむことにフォーカスすると自然な振る舞いができて、伝えやすくなる。
恐れからではなく、愛から行動することなんだ!って。
大切な人には、
この地球で出逢えたことを、
そして、今ここで一緒に時間を共有できることを
楽しむ気持ちで、愛を伝えていきたいものですね。
恋愛は楽しんじゃいましょう!
終わり
ご愛読ありがとうございました。
P.S
スペインにおりたった初日、マドリードの街で、3人組の男に囲まれて、「バッグを渡せ!」とお腹の前にナイフを突き出された僕が取った行動は、、、
ナイフを持っている目の前の男を思いっきり突き飛ばし、逆方向に全速力で走って逃げました。
お腹のすぐ前に突き出されたギラっと光る本物のナイフはめちゃめちゃ怖かったけど、どうしてもバッグを渡すわけにはいかなかった。
そこには、当面の生活費、パスポート、
そして、これからの未来が詰まっていたから。
途中まで追いかけてきたけど、幸い逃げ切ることができた。
ごついブーツを履いていたので、走りづらかった。
走り方がルパンに出てくる銭形平次警部のようになっていただろう。
思い出すとプッっと笑える。
たとえその時、絶望的に思えるようなことであったとしても、後になって振り返ると、案外笑えるものですね。
ちゃんちゃん
P.P.S.
恋愛をテーマにコーチをしようと思って、苦手な恋愛ではあったけど、
今僕にできることを、と思って書き始めました。
書き始めた当初はこんなに長くなるとは思いもしませんでした。
書いてたら、いっぱい出てくるものです。
もう2度と会えないという事実は、振られようが、なにされようが辛かったです。
あのポーランドでの最後の日、ローズちゃんに電車を見送られた時の、「もう本当に会えないんだ」、あのなんともいえない切ない気持ちが、かすかに胸の中に蘇りました。
僕は、恋バナについては、ほとんど他人に話すことなんてない恥ずかしがり屋だったのです。
でも、ブログでこれだけおおっぴろげにぶちまけたら、もうすっかりとれたかな、笑。
書くことで癒されたし、辛くもあった思い出が、本当にいい経験だったなと思える今があります。
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!!
by 自己卑下上等! 自己肯定感を高める 炎のメンタルコーチ
平山 仁ー
本音を無視して生きていけるほど人生は短くない、
むしろあまりに長い。
だから人は本音に向き合う時がくるのだろう。
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4)プロフィール
<参考記事>
■恋愛関連
どうして人を好きになると、本当にしたいことと違う行動をしてしまうのか?
恋愛に苦手意識のあった僕が高校生の時にこのことを痛感した体験をストーリーにしました。
同じようなことで恋愛に苦手意識を持っている人を恋愛コーチングで応援しています。
☆どうして好きな人には伝えたいことをうまく伝えられないのか?
もともと人を好きになるとぎこちなくなってしまうという弱点があり、ただでさえ苦手だった恋愛に、ハードルがてんこもりで加わった難易度S級の恋愛に向き合ったスペインでの恋のお話です。
好きな人に想いを伝える難しさを痛感した経験をストーリーにしました。
同じように恋愛に苦手意識を持っている人を恋愛コーチングで応援しています。
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