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太陽系で一番難しい恋 <スペイン留学編> 第10話 ☆どうして好きな人には伝えたいことをうまく伝えられないのか?

 

(前回までのあらすじ)

ローズちゃんが、僕のポーランド行きに対してあまり気が進んでいないことは感じていた。

あまり歓迎モードではない中で、彼女を訪れるのは本意ではなかった。

 

でも、どうしても行かずにはいられなかった。

行かないともう一生会えないという現実があったから。

モヤモヤした気持ちのまま、生きていくことはできそうになかったから。

 

こうして僕は、逆風の中、ポーランドの地に降り立った。

 

それでも、ポズナンの駅でローズちゃんと再会できたときの僕の喜びはひとしおだった。

 

来てよかった、そう思った。

 

 

前回9話が、まだの方はこちら

 

 

 

 

 

-第10話-   どうして伝えたいことをうまく伝えられないのか?

 

 

 

ローズちゃんは、ホテルまで僕を迎えに来てくれて、ポズナンの昔の城、教会、街の中を案内してくれた。

 

そして、夜になると、ローズちゃんが地元の友達と遊ぶのに混ぜてもらった。

 

ポーランドの若者の遊びはお酒とダンスのようだ。

 

ローズちゃんと、彼女の数人の男友達と女友達と、ナイトクラブにいった。

 

僕も、今流行っている音楽を聴きながら、飲んで踊るのが好きだった。

 

くらげダンスだったけど

 

 

ただ、スペインのときと大きな違いがあった。

 

彼らはポーランド語で話し合うので、なにをいっているのかさっぱりわからないのだ。

 

ローズちゃんが彼らとポーランド語で話しているのをみていると、あらためて彼女がポーランド人であることを感じたし、なんとなく自分が仲間に入れない感覚があった。

 

なんだろう、この孤独感のような寂しい感じは・・・

 

ローズちゃんも彼らもポーランド人であり、僕は日本人。

 

ローズちゃんも彼らもここに住んでいて、僕は日本人。

 

彼女との物理的な距離も感じずにはいられなかった。

 

そしてやはり、ローズちゃんはスペインのときとは違って僕との距離をとっていた。

 

透明バリアみたいなものがみえるのだ、笑

 

ローズちゃんに何も言えないまま、時間だけが過ぎていく。

 

短い滞在だったので、あっという間に帰りの日が近づいてきた。

 

スペインでたしかに感じることができた気持ちが通じ合えたようなあの感覚・・・

 

ポーランドまで来れば、みつけることができるかも知れないと思っていた。

 

でもどこにもみつけることができなかった。

 

もどかしさだけが募っていく。

 

でも、それをどうしていいかがわからなかった。

 

ローズちゃんにもっと近づきたいけど近づけない。

 

そんなもどかしさをどうすることもできず、またお酒の量だけが増えていった。

 

 

 

ある日、僕は、ローズちゃんがホテルに迎えに来る前から外でウオッカを買って飲んでいた。

 

心が弱かった僕は、酔っぱらって、お酒の力を借りて、近づくことくらいしか考えられなかったのだ。

 

その日は、ローズちゃんの友達の家のパーティーに呼んでもらった。

 

彼女の友達の家はなんと地下にディスコバーがある。

 

そこでみんなで飲んで、踊るのだ。

 

 

ローズちゃんとポーランド語で仲良く話す男友達をみていると嫉妬の感情が湧いてくる。

 

僕にはポーランド語が話せない。

 

僕が近づけないのに、流暢に会話を楽しんでいる彼らが羨ましかった。

 

ただただポーランドと日本の距離、彼女と僕の心の距離を感じさせられるのだった。

 

ローズちゃんがたまに話しかけてきても、僕は一言二言しか話せなかった。

 

拗ねていたのかもしれない。

 

 

 

そのとき、流れていた曲で、今でも忘れられない曲がある。

 

Police の Every breath you take  だ。

 

 

 

 

Every breath you take♪

(あなたが息づかいをするたびに)

Every move you make♪

(あなたが動くそのたびに)

Every bond you break♪

(あなたが絆を破るたびに)

Every step you take♪

(あなたが歩くその一歩ごと)

I’ll be watching you♪

(私はあなたをみている)

 

 

 

ローズちゃんは踊る姿がセクシーだ。

 

メロディーに合わせて身体を揺らし、リズミカルに身体を動かしていた。

 

 

僕は、グラス越しに彼女の踊る姿に見とれながら、ただぼーっとお酒を飲んでいた。

 

 

なんだか彼女がとても遠い遠い存在のようにみえて、胸が痛んだ。

 

 

流れているEvery breath you takeが、さらに僕の胸を締め付けた。

 

 

 

 

その帰り道のことだった。

 

 

近づきたいのに近づけない

 

 

こんな状態がずっと続いて

 

 

もうどうしていいかわからなかった僕は、

 

 

酔っぱらった勢いにまかせて、彼女に近寄ろうとした。

 

 

 

その瞬間だった、

 

 

 

バシっ!

 

 

 

強くひっぱたかれた。

 

そして、ローズちゃんは感情をむき出しにして言った。

 

 

やめて!

 

 

 

 

あなたは、お酒ばっかり飲んでるわ。

 

ジニュチ、あなたはとても変だわ。

 

お酒ばっかり飲んで、自分の思っていることを言わない。

 

 

私は、酔っ払う人が嫌い。

 

酔っぱらって近づこうとするなんてStupidよ!

 

 

ジニュチ、私には、今付き合っている人がいるの。

 

あなたと付き合うことはできないわ。

 

 

 

 

 

何も言うことができなかった。

 

そのとおりだった、、、

 

僕は言いたいことが言えない。

 

そのもどかしさを、お酒の力を借りてなんとかしようとしたまぬけだ。

 

 

 

 

ていうか、ローズちゃんに彼氏がいるだって!?

 

 

どれだけ俺はまぬけなんだ。

 

 

もう、格好悪すぎだよ。

 

 

ずっとずっと彼女のことを想い続けて、ポーランドまで追っかけてきた。

 

なのにいざ会うと、全然近づけなくて、言いたいこともなんにもいえなくて、

 

しまいには、お酒の力を借りて近寄ろうとした挙句に往復ビンタの刑。

 

とどめには、彼氏がいる宣言だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

想い続けていたのは僕だけだった・・・

 

 

 

 

 

格好悪い、情けない、みじめ、、、

 

 

 

 

僕はここで、いったい何をしているんだろう? 

 

 

ただでさえ、刺すように冷たかったポズナンの夜の寒気がいっそう身に染みた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その翌日僕は昼間から外でまたウオッカを買ってホテルに引きこもり、酒をあびるように飲んでいた。

 

 

とことん、だめな男だ。

 

お酒ばかり飲む酔っ払いは嫌い!と言われたのに、まだ飲んでいる。

 

でも、もうどうでもよかったのだ。

 

 

どうでもよかった。

 

 

そして、夜になるまでホテルで飲んで、夜は夜で一人で外に出てバーを探した。

 

バーに入ると、まわりの人々はポーランド語でガヤガヤ楽しんでいた。

 

この賑やかさが逆に、一人でいる僕の孤独感をあおる。

 

僕は見知らぬ土地で、ただ一人お酒を飲むフラれたてほやほやのジャップだ、、、

 

こんなに独りぼっちという孤独感を味わったことはなかった。

 

 

 

バーを出ると、酔っぱらって、視界が歪んでよくみえない、ふらふらになりながらいくあてもなく歩いた。

 

どれだけ酔っぱらっても、ポズナンの夜の寒さは身に染みた。 

 

いや、心に染みた。

 

 

 

 

 

スペインに帰ろう・・・

 

 

僕は、この見知らぬ土地で、身も心も凍えるような寒さの中、これ以上ここにいる気力をなくしていた。

 

 

続く

 

 

image

 

これは、ホテルでウオッカ、ビール、ハムを買って浴びるように飲んでたときの写真かな。よく残っていた。

にしても荒れてる、笑

 

 

 

次回、 最後の夜

次回11話 は こちら

 

 

P.S.

いつも読んで頂きありがとうございます。

もうすぐ終わりだよ。

 

 

by 自己卑下上等! 自己肯定感を高める のメンタルコーチ 

  無意識を味方につけて恋愛力を高める 恋愛改革コーチ

  平山 仁ー 

  

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■恋愛関連

太陽系で一番難しい恋 第1話

どうして人を好きになると、本当にしたいことと違う行動をしてしまうのか?

恋愛に苦手意識のあった僕が高校生の時にこのことを痛感した体験をストーリーにしました。

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☆どうして好きな人には伝えたいことをうまく伝えられないのか?

もともと人を好きになるとぎこちなくなってしまうという弱点があり、ただでさえ苦手だった恋愛に、ハードルがてんこもりで加わった難易度S級の恋愛に向き合ったスペインでの恋のお話です。 

好きな人に想いを伝える難しさを痛感した経験をストーリーにしました。

同じように恋愛に苦手意識を持っている人を恋愛コーチングで応援しています。

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