太陽系で一番難しい恋 (高校生編) 第5話
(前回までのあらすじ)
ヒマワリちゃんとの遊園地デートの帰り道、手を繋ぎたい気持ちが空回りし、なぜか宙返りをしてしまった数日後のこと。
放課後、いつもの待ち合わせ場所に現れたヒマワリちゃんは緊張した面持ちで口を開いた。
「話したいことがあるの・・・」
(前回第4話はこちら)
ー第5話- それでも恋は宝物
僕は、ヒマワリちゃんの緊張した顔つきと「話したいことがあるの」というトーンで、何が起こるかを予期することができた。
ゴクリ・・・
「別れてほしい」
時間が止まったようだった。
覚えているのは、「別れてほしい」という言葉が、胸に突き刺さって、唇がカサカサに乾いたことだ。
どうして?とかそんな疑問が湧いたけど、何も聞けなかった。
ただ、受け入れるしかなかった僕がいた。
そして、振られて数日がたったある日、僕は放課後の帰り道、ヒマワリちゃんを校舎でみかけた。
でも、ヒマワリちゃんの隣には別の男子が一緒に歩いていた。
別の男子と付き合いだしたのだ。
振られて2、3日しか経っていなかったので、何が起こっているのか、すごく混乱した。
そして、なぜか隠れたくなった。
ルーザーと呼ばれた。
自分がすごく格好悪くて、みじめに思えた。
それからヒマワリちゃんとその男子は毎日一緒に下校するようになり、その光景が目に入るたびに胸が締め付けられて苦しかった。
だから、できるだけ遭遇しないように、遭遇しない時間、帰り道を選び、みつからないようにした。
まるで忍者だ。
ALONEを家で100回以上聞いた。
(Bzのやつね)
大雨の中、家の裏の田んぼまで走りにいって、誰もいないところで、わーって叫んだ。
高校生なので、お酒の力もたばこの力も借りられない、水の力だ。 2回目だ!
こうして、僕の初恋は終わったのだった・・・
ここまで高校生の時の初恋の話を書いてみて、この話はずっと切ない思い出として記憶していたけど、楽しいこともいっぱいあったことに気づくことができた。
ヒマワリちゃんに初めて電話をかける前に奮闘したこと、
ヒマワリちゃんのすぐ隣を歩きたくて、水牛と奮闘したこと、
ヒマワリちゃんと手を繋ぎたくて、頭の中であーだ、こーだと奮闘したこと、
僕はめっちゃ恋愛を楽しんでたな!
って思えた。
あのときは、僕をふった直後に別の男子と付き合っているのをみて、女性は信じられない生き物だ!とへこみまくった。
でも、今ならわかる。
あれは僕が至らなかった。
今はあの甘酸っぱいドキドキをくれたヒマワリちゃんに感謝の気持ちしかない。
彼女がこのブログを目にすることはまずないだろう。
そんな確信もあって、この話をブログに書いた。
最後にヒマワリちゃんへの感謝の気持ちを込めて締めくくりたいと思う。
ヒマワリちゃんへ
水牛と一緒に歩かせたり、遊園地でいきなり宙返りなんかして、恥ずかしい思いをさせてしまってごめんね。
ヒマワリちゃんが僕を振った後すぐに別の男子と付き合ったとき、正直すごくショックを受けたけど、今ならわかるよ。
たくさんのドキドキをありがとう!
僕の青春に甘酸っぱい思い出をありがとう!
今はどこで何をしてるのかな?
ヒマワリちゃんが、幸せでありますように
終わり
P.S.
それにしても、恋愛ベタ、笑。
この恋はうまくいかなかったし、当時は辛かったけど、今では僕の人生に、ないより「あった方が断然よかった」と感じています。
どうしてそう思えるのか?
好きな人なのだから、もちろんうまくいってほしかったけど、それだけがすべてではないのだなあと。
自分の気持ちに夢中になれた。
そのプロセスの中で、いろんな感情を味わえた。
これは、自分の気持ちと向き合い、勇気を出して動いたからだと感じています。
あの時もし勇気を出して告白していなければ、振られて傷つくことはなかったけど、たくさんの喜びやドキドキもなかったのだから。
P.P.S
大人になってから、さらに難しい恋をすることになります。
恋愛下手、国境を越える。
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