マイライフストーリー ~就職ではなくスペインへ~

「マイライフストーリー」
〜就職ではなくスペインへ〜
もう25年くらい前の話、
就職活動をしていたときのことです。
1997年、その頃は、就職氷河期と呼ばれていた時代。
「新卒」という切符が、当時の就職活動においてとても重要な要素の一つでした。
その環境の中で、
なぜ就職を選ばず、フリーターとなることを選び、スペインに留学したのか?
スペインに行く! そう心が定まった瞬間とその前後を振り返ってみたことがありました。
(心が定まる前)
当時の僕は海外で働きたいという願望が強く、それが実現出来そうな会社を見つけては、面接で落ち、また見つけては落ちというのを繰り返していました。
最初は夢と希望を持って就職活動をしていたけれど、だんだん行きたいところではなく「行けそうな会社」を選ばざるを得なくなりました。
面接では、志望動機を話す必要があります。
本当は行きたくないのに、志望動機を話さなくてはならない、それが苦痛でなりませんでした。
そんな気持ちの乗らない就職活動をしながら、僕にはある望みがあることに気づいていました。
それはスペインに留学し、現地でスペイン語を学ぶこと。
しかし、それは到底現実的ではないと思っていました。
大学を休学し、アメリカに1年の語学留学をし、帰ってきたばかりだったからです。
それに、行くといっても大金が必要となります。
アルバイトで資金を作るとして、それに必要な期間とスペイン留学の期間(1年)、そのあとの就職活動期間も足すと、2年のブランクを作る必要があり、そのあとの就職にはかなりリスクがあることでした。
このリスクと常識から、心にフタをしていたのですが、「妥協」で就職活動をしていると、だんだん違和感が大きくなっていきました。
妥協で会社を選ぼうとすると、お先真っ暗な気持ちになり、モヤモヤする感覚を強く感じました。
逆にスペイン留学のことを考えると、その違和感がス〜ッと消えて気持ちが明るくなりました。
そんな日々を繰り返していると、臨界点に達したのでしょうか。
もうどうなってもいい!
やっぱり自分はスペインに行きたい!
と心が定まったのです。
(心が定まった後)
スペインに行くと心で決めたものの、
両親はものすごく反対しました。
こいつはシラフか?モードです…
それでも何度も話をし、「なんでもして自分でお金は稼ぐから」と夢中で話していたら、
「そこまでやるというのなら、好きにしたらいい」
と最後は折れてくれました。
それから大学在学中は、朝昼学校に通い、夕方から週6でバイト、卒業後は奈良に戻り、夕方6時から朝6時まで深夜バイトに明け暮れました。
昼夜逆転の生活はアトピーの体にはものすごく堪えました。
朝帰っても、痒くてろくに眠れないままバイトに行くという日々の繰り返しでした。
夜中2時、3時頃がピークでボーリング場でレーンを監視しながら、なんどコックリコックリ立ち寝したかわかりません。
あの時は、アトピーの身体を恨んだものです。
それでも、
これを乗り越えたら、スペインに行ける!
その希望が、僕を動かせてくれました、耐えさせてくれました。
そして1年ほどでお金を貯めて、念願のスペイン留学が実現したのです。
ここでは割愛しますが、
このスペイン留学の素晴らしかったこと、喜怒哀楽がたくさん詰まった忘れられない体験となりました。
そのあとの懸念だった就職活動も、ミラクルな流れで、心から行きたいと思える会社に就くことができました。
(その3年後に夢だった海外駐在(イギリス)も叶うことになります。)
この体験を振り返ってみて、気づいたことがあります。
それは、本当の望みに気づき、それを得るんだと心が定まる前に、往々にして望みとは真逆の体験を突きつけられるということです。
真逆をありありと体験するからこそ、自分の「望まないもの」がはっきりと自覚できるようになり、「本当に望むもの」を知ることができる。
そう考えると、嫌で不快な望まない体験は、ときに必要なプロセスであり、それもまたギフトだったのかもしれないなと感じるようになりました。
「本心を知るために、人は真逆の体験をすることがある。」
「本心がはっきりとわかることで、そのことに心が定まり、人は動けるようになる。」
「本心に従って勇気を出して動くことで、人は喜怒哀楽の詰まった愛しい人生を送ることができる。」
この体験から学んだことです。

(ホストファミリー、生徒たちと。アリカンテにて)
P.S.
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(追記:体験セッションは終了しました。)
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